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蘇生

夕食~

夜八時
実家で母を看ながらの食事

食事を喜んで食べる母と
子供の学校の話を聞きながら
ほっと和むひと時

 お代わり持って来ようね

そう言って立ち上がったとき
携帯が鳴り出した

私の携帯は怠け者だ
一日のうち 一度も鳴らない日もある
不要なメールや電話を一切しないので
子供を起こす時間 母の介護の時間
日に何度か決まった時間
特定の時間に栞を挟むように設定した
アラームだけしか鳴らないない日もある

番号を知っているのも
ほぼ親しい身内だけなのに
知らない番号が表示されている

 誰だろう・・・・・・

台所へ歩きながら 
受話器の記号をスライドさせて
 はい
と言うと
 あ、恐れ入りますがこちらは『ななを』さんのお電話ですか?
純朴そうな男性の声が聞こえてきた

聞き覚えのない声
そして私を本名でなく
ウエブ上での名前で『ななを』さんと呼ぶ

誰だろう

頭の中でいろんな人の顔と名前を
早送りで思い出してゆく
この人 ちがう
あの人 いやこれもちがう
自分の記憶の中にない声
もしかして私も物忘れが始まったかしら
焦りを必死に隠しながら名前を聞こうとしたとき

 あ、申し遅れました
 わたくしネットで交流させて頂いておりました
 Iと申します
と 電話の向こうの声が告げた

その人は
私がネット上で文章を書き始めた頃
最初にやり取りを始めた人で
ネット上の決まりごとや
人との関わり方などを教えてくれた
私にとっては兄や先生のような人なのだ

一度
地元の山で取れた山の幸のお裾分けを頂いて
そのときに住所や名前を送信したっけ
そんなことを思い出す

聞いたことのない声のはずだ
一度も電話で話したことのない人なのである

その人が病に倒れたと風の噂に聞いてはいた
倒れた数ヵ月後に数回ブログの更新があったけれど
十年前に更新が止まったままで

 命はとりとめたけれど
 記憶の回路がうまく繋がらないので
 日々苦労の連続です

そんなメールが来たきり
ふっつりと消息が途絶えてしまった

病と言うデリケートなことで
プライバシーに関わることでもあるので
ご家族にお聞きするのも憚られ
遠い九州から
お元気でいることを祈ることしかできなかった
そんな十年前の出来事が
一瞬で泉が沸き上がるように思い出されたのだ

そのあと十分ほど話したけれど
舞い上がってしまい
何を話したかあまり覚えていない

 長くそのままだった携帯の機種変更のため
 住所録の所在確認の作業中でした
 あなたがこの電話番号を使っていてくれてよかった
 またあなたの詩を拝見させてください
 あなたの詩は
 名前を隠されていてもわかります
 まだあなたが書いていてくれてよかった
 それではまた

そう挨拶して通話が切れると
しばらく携帯を握ったまま
台所にぼーっと立っていた

私の住所録の
行方不明者の名前がひとつ消えて
懐かしい名前に
呼吸が戻って
血液が通い始めた
師走の台所での出来事

2017/12/20


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テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

Pray for you...

雪紅葉
「Pray for you...」

まだ
少し動くと汗ばむ南の地の夕方
届いたメールには
の便り

 暑さも穏やかになり
 やっと食欲のが来るね

灼ける暑さからひと心地ついて
そんなことを話していたのに
北の地ではもう冬支度

紅葉も
風花も虫も
ここでは見ることもなく
まるで本の中の世界

小さな国とはいえ
距離にすると遠いんだな

手も届かない
目には見えない
遠い 遠い距離

いつか移り住む
寒い地を思いながら
ふと振り返れば
時間は移ろって
淡い葡萄色の空

けれどもう
そちらは陽が落ちて
夜の帳が降り始めた頃
同じ日本なのに
まるで
時差のある国のよう

空の明るさも
季節感も
まるで違う国

そういえば
北の地の春は
まるでスイッチを押すと
すべての明かりが灯るかのように
植物が一斉に目を覚ますんだっけ

それとは対照的に
から冬になるときは
まるで瞳を閉じるように
一気に駆け足で季節が移る
長く厳しい冬の国

もう少し経てば
長い長い白い風景が
世界を覆いつくす

北の地を訪れたなら
私はきっと
厳しさもわからず
見慣れない景色に
最初はただ
はしゃぐのが精一杯だろう

 なんてこれから
 いやと言うほど見ることになるのに
 
そう言って笑われながらも
今まで生きてきて
見たことがなかった白い風景を
じっと飽きずに眺めているのだろう

移住して 根を生やすのは
まだしばらく先の話になるだろうけれど


すでに吐く息が白い
北の国に思いを馳せながら
エアコンの温度を下げる
いまだ蒸す南の地の夕暮れ

北の地に住む人が
風邪を引かないようにと
そっと
心の中で祈った




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テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

介護中

最近の母には「宿題」が出ているらしい。
毎日私にこう言うのだ。
「ななをちゃん、宿題終わった?」
「え?なんの?」
「夏休みの友よ」
「えー、まだ夏休み来てないし、こんなオバちゃんやババちゃんに夏休みの友はなかろうもん」
「困ったわ。出さないかんけどまだできてないとよ」

ここ最近毎日聞かれるので
「えー、もう出したよ」
と言うと
「じゃあ分かるところだけ教えてくれんね。チップは弾むわよ」

チップは嬉しいけどないものは教えられない。
そもそも74歳の宿題って、なにが書いてあるんだろ。
そっちのほうが気になるわ。

夏休みの友の前は毎日喪服を出してきて
「卒業式なのに着ていく服がないのよ」と言う。
喪服を引っ張り出してくるもんで「はっ、もしかしたらだれかがこの世からご卒業とのお告げか!?Σ( ̄口 ̄*)」とも思ったが、身内の年寄りは確認したところ、みなお元気。
みんな面白い老人粒揃いなのでまだ死んでもらっちゃ困るのでそこは一安心。

卒業式が経過したから次のイベントの夏休みモードになってるんだろうなぁ。

そして孫たちも年齢が上がったり下がったり。まぁこれは仕方がない。「アンタ誰?」になってないだけましだ。

つじつまがあっていなくてイライラしたりキーっとなっていても仕方がない。
だって、彼女はタイムトラベラーなんだもんね。
彼女の時間にゆっくり付き合うことにしてます。

結構楽しいよ(^-^)ノ


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テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

過渡期の巣箱

過渡期の巣箱

子供が学校から帰ってきて
俯きがちにただいまと言ったきり
部屋に閉じこもる

友達とけんかでもしたのかと
しばらく時間を置いて隣の部屋から様子を伺い

 落ち着いたらお茶でも飲まない?

と声をかけると
子供は目を赤くして部屋から出てきた

お茶を入れておやつを添える
いつもなら真っ先に手を伸ばすお菓子に
なかなか手が伸びない

 なにかあったの?

声をかけるとうつむいたまま
涙をぽとぽととこぼして
重たく閉じた口をやっと開いて

 おかあさん
 私 死ななきゃいけないのかな

そう言った

学校の昼休み
あまり馴染みのない子に

 死ね

と言われたという

今時の子供たちの
 死 という言葉の
近さと軽さ

死は
現実味を帯びないほどに
リアルが不足しているのか

子供には普段から
言葉は物理的には人を殺さないけれど
心を殺すのと同じくらい
ダメージを与えることがある
口から軽々しく出してはいけない言葉があることを
いつも頭の中に入れて置くようにと
常々話している

そのこともあってか
余計ショックが大きかったらしい

現在の司法においても
死をもって償うことにおいては
法の専門科が何人集まっても
慎重に慎重を重ねて協議しても

 死をもって償え

という判決はなかなか出ない

それと照らし合わせて考えて
あなたはその子に
死をもって償わなければならないような
酷いことをしたのかと問えば
それはないと言う

そして相手の子をかばうように

 そんなに酷く言ったわけじゃない
 軽い感じで言ったんだ

と言うから
 息を吐くように軽く
 死が口元から出ることのほうが
 よくないことなのよ
そういってゆっくりとわかるように
話して聞かせた


なにぶん多感な時期の
まだまだ荒削りな子供たち
うまく自分の感情や意見を
伝えるのが難しいのかもしれない
お互い傷つけあったり和解したりして
大人になっていくけれど
まだまだ過渡期
大人になるまでいろんな葛藤も
もどかしさもある

何度も繰り返していきながら
人間関係を学んで成長していく
もちろん大人になってもそれは続くし
ある意味それは
命が終わるまで過渡期でもある
生きている間は誰もが試行錯誤だ
答えは自分で出すしかない

だからと言って
やたらと纏わりついたり
突き放すのではなく
少し遠くから
その様子を見守っていなければ
子供たちは見えない何かに絡め取られて
手の届かない風の中に
安易に身を投じてしまう

力ない小鳥のように

そうなる前に

 あなたが帰ってくる場所は
 必ずいつもここにあるから
 どんなに辛いことがあっても
 自分でこの家に帰っておいで

そう言い続ける母親でいよう

心の傷で立ち上がるのがつらいときでも
風に攫われそうになったときでも
ふと思い出して
いつでもこの家に戻ってくるように

どんなに重い
 ただいま
の声でも
 あら おかえり
湯気の立つ台所から
いつものように返事を返す

この家は
夕方の小鳥帰る過渡期の巣箱


201410


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テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

母の日だってさ

母の日だってさ

子供が「少し早いけど母の日とお誕生日おめでとう」って
これ、くれました。

可愛いキャンディ。ありがとう。
これと、私が以前から読みたかった漫画を数冊
「レンタルしてきてくれました」

お金を使わない&家に物を増やさない知恵もついてきたのか
子供よ(爆)

とりあえずありがとねぇって食べた。
甘酸っぱくておいしかった。

そして私のあと1週間後の自分の誕生日のプレゼントのリクエ
ストを繰り出す当たりはまだまだ子供丸出しなのであった。

いつまでもそんな「母にだけは」隙の多い子供でいてください(笑)

そんなことを願う今日のわたくし。

今日ログインしたら

いつからアメリカ(爆)

今日ログインしたら、全部英語表記Σ( ̄口 ̄*)
なじぇ・・・?

何度ログインしなおしても英語表記(´;ω;)

なじぇ (´;ω;)

・・・・・・と思ったら子供が
「文字表記タブおかしいんじゃね?」とポチっとクリックしたら


戻りました。日本語に✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
それにしてもそんなとこいじったことないのになぁ・・・
いつの間にかわっちゃったんだろ。謎・・・

アンモちゃん

アンモナイト

金ぴかのこれはアンモナイトの化石です。
別にメタル処理がしてあるわけではなくて、土のミネラル分とアンモナ
イトが長ーい時間をかけて化学反応してこんなになるそうな。
黄鉄鉱化と言うらしいです。

うーん、生命って不思議。
化学反応って不思議。

アクセサリーを作る石を買うついでにこういう化石なんかもちょっと買って
みたりします。

アンモナイトが見てた海を見てみたいなぁとか思いながら金ぴかアンモち
ゃんを眺めてみたりするのでした。

そんな近況でございます。


テーマ : ある日の風景や景色
ジャンル : 写真

プロフィール

藍音ななを

Author:藍音ななを
詩作の長いブランクを経て1995/11から散文
2006/9から詩を書き続けています。
空と雨を何よりも愛しています。

血液の82%はコーヒーでできています。
きっと できています。

写真撮影は注釈がないものについてはすべて
撮影者:藍音ななを
撮影機:au Win W41K(携帯by京セラ)
2008/2からau Win W61CA・softbank 940SH
2016/7からau TORQUE G03
を通して私の目が見た世界です。

著作権は放棄していません。
無断転載/無断引用/複製は固く禁じます。

●●このブログはリンクフリーです●●
綴った詩がお気に召しましたらお気軽にリンクをお持ち帰りください。その際お知らせくだされば相互リンクも貼らせていただきます。コメントもお気軽にどうぞ。

*アダルトとスパムサイト様はご遠慮させていただきます。


ネット詩誌 MYDEAR所属
福岡県詩人会所属
日本史人クラブ所属

2013.6.9 藍音ななを
動画:夢路

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